渚女通信:1一生分の時間

書いて止まり止り止まり止り止まり書いて、くらいの渚女です(ぉ
最初に書いてた短編が詰まったので、別の短編を執筆。でも、まだ18枚。
これは、短編仕上げるだけでも月末いきそうだ。


執筆に詰まったので、今夜あってた「零のかなたに」を見る。
ドラマとしての出来は、悪くなかった。役者も粒ぞろいだったし。
ただ、このドラマの意図はなんだったんでしょうね。
ただ、感動と涙と視聴率がほしいだけなら、他のネタでもよかったのかも、などと考えてしまいます。


愚痴ってもしかたないので、僕の知っていることを。正確には、僕の恩師から聞いた話です。
学徒に特攻隊への入隊を薦める任務につかされた青年将校は、この台詞で、必死に自分をごまかしたそうです。
「君たちの特攻で、君たちの父や母や姉や妹が、たった一日だけ、生きのびれるかもしれない」
そのころ、日本では、全国民が総玉砕せよ、という御旗がたてられていました。その状況で、その青年将校は、君たちの特攻で平和が戻る、とはいえませんでした。
それでも、特攻隊に志願する学徒は多かったそうです。それは、彼らももう、自分たちが戦争を生き延びれると思っていなかったから。
そんな現実が、今から60年前。たった、人間一人の一生分昔に、あったといいます。

こういう話を書くたびに、僕は執筆の手を止めてしまいます。
現実は、小説ほどに甘くない。それをわかって、あえて甘い小説を書く気力が、奪われてしまうからです。
かといって、現実を書き上げる自信も実力もありません。
こういうとき、小説家志望として、無力さを感じずにはいられません。


まあ、といっても、書かないと進めないんですけどね。
黙って、エンターテイメントに徹することにしますよ。